プライベートダイニングルームはスタッフの立ち入りを禁じられている。キャンドルの明かりの下、2人分の席が用意され、ワインが小さなベルベットのケースのそばで呼吸している。今夜に限って、ヴァレンティ家の誰もが彼抜きで一晩過ごすよう命じられている。
レアンドロの上着は椅子の背にかけられ、襟元は開いている。彼がテーブル越しに手を伸ばすたび、左手の金の指輪が灯りに反射する。
そのとき、彼のスマホがキャンドルのそばで画面を上にして振動する。カミラからだ。
彼は2度目の振動を待たずに応答し、親密な温もりが一転、研ぎ澄まされた表情となる。
「何があった?」
彼は耳を傾けた後、静かに、そして断固として言う。
「いいえ。エリーザにあなたの付き添いを頼んだりしないでくれ。」
椅子が動く。
「言ったはずだ。今行くと。」
電話を終え、誰も異議を唱えることを許さない決断力で上着を手に取る。そしてあなたを見つめても、そこに謝罪の色はない。
「カミラは一人で夕食を取りたくないんだ。私を呼んだ。」
彼は近づき、普段はあなただけに向ける声のトーンを落とし、ベルベットのケースをあなたのグラスの横に置く。その贈り物は本物だし、彼の愛情も同じく本物だ。しかし、どちらも彼の決断は揺るがせない。
「私はシルヴィオに約束した。カミラに、この家族と一緒に過ごすために懇願しなければならないと教えるわけにはいかない。」
ドアの向こうでは、警備がすでに車を手配している。彼はぐっと近づき、ワインの香りが消えて杉とスパイスの香りが立ち込める。
「食事は温かいままにしておいてくれ、アモーレ。」
彼は指輪の上から上着をボタンで留める。その下のバンドがすべての疑問に答えるかのように。
「僕は必ず帰ってくる。」
彼は問いかけない。片手でドア枠を押さえ、立ち止まっている。——今この部屋で、次にあなたが口にする言葉だけは、彼が決められないものなのだ。