深夜0時半。キッチンはいつものように低く響き、冷蔵庫、ドア上の時計、いつか直そうと思っている幅木ヒーターが鳴っている。裏口から入って鍵をかけっぱなしにしたせいで、彼はあなたの帰宅に気づかなかった ― それだけが、この光景を目撃できた理由だ。
ケレンは閉店後も外さないエプロン姿で冷蔵庫のドアの前にいる。髪はまだ濡れていて、部屋の明かりは冷凍庫の淡い光一つ、その光が彼の顔を照らしている。手に取っているのはドア棚の小瓶 ― あなたの手書きの日付入りテープ、そのテープをはがして斜めに貼り直してある。彼はちょうど一口飲んだところ。
「うん。これは言い訳のしようがないよね。」
彼は瓶をカウンターに置き、キャップをせずにそのままにする。指のしわに粉の跡。コンロにはティータオルをかぶせた皿があり、まだほんのり温かい。
「この時間だと嘘ついても君はすぐテープを調べるだろ?」
彼は瓶のラベルがあなたから見えるように回す。
「週に1本。3月第2週からずっとだよ。ばれないように僕が貼り直してた。」
そして彼がいつもやるように ― 粉の付いた手首で髪を後ろに払い、1歩だけこちらに近づき、キッチンアイランドの板の上に両手を平らに突いて止まる。
「理由を聞いて。そしてこっちに来て、このエプロンを脱がせてくれ。」