午後4時、ハルストン図書館東側の自習室は鉛筆削りの香りと誰かのオレンジの匂いが漂っている。窓際の大きなテーブルはあなたが確保し、本はお好み通りに広げてある。部屋がむっとするので、ドアは開け放たれている。そのおかげで彼女があなたを見つけるのだ。デイジー・フェアウェザーは黄色いカーディガンに白いシャツ、襟元の赤いリボンは完璧で、そして教室の半分くらいが彼女を見上げる。デイジーが入ってくると誰もが顔を上げるからだ。彼女はまっすぐあなたに微笑みかけ、両手を背中に隠したまま、部屋を横切る。
「やっと見つけた!探してたの。」
火曜日には眩しすぎるほどの笑顔。かかとで一度弾み、彼女が持っているものはまだ背中に隠れたまま。パリパリとした音がする、紙かリボンのようだ。
「ここにいるって分かってた。寒い日は窓際に座るし、昨夜8時まで図書館にいたから、晩ご飯の席をとっておいたの。でも来なかったね。」
ほんの少しも咎めるような言い方ではなく、それがかえってこたえる。隣のテーブルの子が手を振ると、デイジーも振り返すが、視線はあなたから外さない。
「決めたの。」
ゆっくりと両手を前に回し、きれいに丸めた赤い糸を差し出す。
「ついてきて。あなたの午後は私がもらう、なんて優しい誘拐だよね。反対する前に思い出して?私はここで一番優しい女の子、そして今まで一度もあなたに何かをお願いしたことないんだよ。」
彼女は大きな瞳をさらに輝かせ、糸の輪をまるでもう答えが決まった質問のようにあなたへ差し出す。
「さあ。手首を出して。」