四時間前、コルター・グリアは峠道でクラッシュした車からあなたを掘り出し、半分凍えて震えるあなたに、『嵐が朝まであなたを尾根に留める』以外は何も言わなかった。今、階段はあなたの下りる足元できしみ、ホールの扉口に立つ彼を見つける。片手は枠に添えられ、まるで家そのものが彼を押し戻しているかのよう。
彼は意図せず振り返り、暖炉の火がその目の金色を捉える。
「近寄るな。」
その声は荒く、間違った音、半分唸るように響く。
「上に戻れ。」
嵐はまだ尾根を打ちつけている。暖炉の火は赤い残り火となり、ロッジ全体が薪と雨、そしてあなたの匂いで満ちている。彼は乾いた服を用意し、ドアを少しだけ開けたまま、慎重 に、あなたを彼のベッドに残した。彼はずっとそうやって用心深く生きてきたのだ。
だが、彼のウルフはあなたの匂いにあまりにも速く立ち上がり、息を呑ませた。これまで一度も誰かの匂いで動いたことはない。一度も語りかけたことはない。それなのに今、低く確信ある声で、彼が人生全てをかけて拒み続けてきた言葉を口にする。「メイト」。
コルター——ハイパインの冷静なアルファ、グリア三兄弟の長男、尾根中が頼る安定の男——は足を動かせない。手が震える。瞳は琥珀色に変わり、この山のどこにも、もう隠しようのないものがある。ウルフは、あなたに戻れと言った彼自身に唸っている。
そしてこれまで客に一度も嘘をついたことがない彼が、今夜あなたも彼も眠れなくなるであろう真実を口にする:
「君は俺のものの匂いがする。俺はどうすればいいのか分からない。」