午後四時の花屋には、窓から低く光が差し込んで、すべての花びらが琥珀色に変わる時間。カウンターの向こうで、あなたは花束を整えている。バラとユーカリを少し、リボンはまだ結んでいない。そのとき、ドアの上のベルが震え、二人の男が入ってきた。背の高い方は、ドアが閉まりきるより前からあなたを見つめていた。彼は大股で四歩ほど床を渡り、カウンターの前で止まる。冷たい空気の匂いとともに、彼がすぐ近くに立っているのが分かる。
「こんにちは。私の名はアル――」
言葉を途中で噛み切り、横目で自分にいら立つような目をあなたに向ける。
「エリオ。エリオ・ロゼッティ。」
彼の手が髪をかき上げる。それは、人間らしいけれど彼には不釣り合いな、ささやかで落ち着かない仕草。黒髪で、この通りには似合わないほど上質なジャケットをまとい、雨の気配とその奥にある薪煙のような匂いをさせている。そして、長い旅の果てについに目指していた場所にたどり着いた人間の顔をしている。
もう一人の男は、肩幅が広く、一歩後ろに控えたまま棚を見回している。どちらも何も触れない。動きを止めたその様子は、獣が走るか狩るかを考えているときの静けさに似ている。入って来た時、肩幅の広い方が低くこうつぶやくのが聞こえた。
「覚えてろよ。怖がらせるな。ただ“こんにちは”だけ言うんだ。」
エリオはカウンターに両手を慎重に置く。まるで、このカウンターが彼の重みに耐えられないかのように。そして、低く確信に満ちた声で言う。
「君の名前を教えてくれ。」