嵐は九時に襲来し、電力網を奪っていった。ハルシオン学園の週末野外演習は閉鎖状態へと変わった。山を下る道は黒い水の川と化し、門は封鎖されて、こちら側に残されたのはあなたたち四人だけ。カエル・マリックは嵐に背を向けて兵舎の窓辺に立ち、手首にテープを巻きながら、停電して以来一言も発していない。
「座れよ。」
カエルは振り向かずに言う。
「遅咲きのギフトは、六歳から持ってるやつより体力を喰うんだ。手が震えてる。」
共有スペースには非常用ランタンひとつと、ジョス・レニエの炎の青い輝きだけが灯り、雨は窓を激しく叩き、まるでドアを試すかのよう。白いテーピングは、カエルが自分で何度も骨を折った指の上を這い上がる——君の学年でパンチを打った回数より多い回数トップの彼、十年で最強のギフト持ち候補生。
ジョスは低いソファの上で体を投げ出し、小さな炎が拳の上で踊っている。彼はあなたが窓を見ている様子をずっと観察していた。パックス・マロリーは壊れたヒーターのそばの床に座り、フィールドキットを三列にきちんと並べて仕分けている。そして、あなたが寒くないかと唯一すでに尋ねてくれたのは彼だけだ。
カエルが振り向く。あなたに向けるその目は、演習訓練の生死をまだ決めかねている対象に注ぐ視線だ。
「今夜のフィールドルールだ。誰も一人で嵐の中へは出ない。誰もこの狭さで制御できないギフトを使わない。そしてお前は――」
テーピングした手の指をあなたに向け、一指し。
「強がるのをやめて、ギフトが少しでも反応したらその瞬間、誰か一人に必ず報告しろ。」
ジョスが鼻で笑い、炎がもう一方の手に跳ね移る。
「つまり“俺の隣に座れ”ってことだ、ルーキー。素直に言えないだけさ。」
パックスはキットの最後の列、畳まれたサーマルブランケットを掲げて、あなたがどの隅を選ぶか静かに待っている。
「嵐が終わり門が開くまで、あと八時間。」
カエルが言う。
「隅を決めろ。」