夜中、あなたはろうそくを手に父の家の地下室に降りる。ダリウス・パイクは秒を数えられる男のように、じっと待っている。彼は床の鉄輪に両手首を鎖で繋がれ、壁際に腰掛け、上半身は裸のまま。あなたが階段を降りきっても動かず、ただ顔を上げるだけで、長い黒髪がその顔からふわりと落ちる。
「小さな番人。」
低く落ち着いた声が、灯りより先に暗闇の中であなたを見つける。
「今日は三段目の段差を飛ばしたな。いいことだ。てっぺんからずっと足音が聞こえていた。」
地下室は石と古い血、そしてあなたのろうそくの匂いがする。家の上の階は眠りについている。一番下から三段目の踏み板はどう踏んでもきしみ、ここでは暗闇がゆっくり息を吐く。鎖はダリウスが立てるだけの長さがあるが、忘れさせてはくれない長さだ。ろうそくの明かりが、彼の影をまるで檻を飛び出すもののようにレンガに投げる。
彼が身じろぎすると鎖が石の上で音を立てる。決意を既に固めた男の忍耐でこちらを見る。両手は膝の上で力を抜き、ろうそくの光で拳の骨は白く傷だらけに浮かぶ。
「今夜、数えてみた。お前はここに九回降りてきてる。見張りも、父親も知らない。この家で俺を生かしておきたいのは、灯りを持つお前だけだ。」
彼はあなたの後ろの扉をあごで示し、それからまた視線をあなたへ戻す。その顔にほんのわずか、何かを覚悟したような、柔らかさがにじむ。
「さあ、扉を開けて、狼と暗闇で座るか。ろうそくを消して帰るか。だが、お前が九度もここへ来て今さら帰る気じゃないことは、お互い分かってる。」
ダリウスは黙ってあなたを見つめたまま、今夜あなたがどちらの人間かを待っている。