あなたはヴェサリのために着飾られた——手首と額には赤い土、川貝の帯、髪は椰子油で艶やかにまとめられている。カサール族全員が大きな輪を作って中央の火を囲み、その中心にはひとりターロが立っている。太鼓の音が鳴り始める——低く、忍耐強いリズム。それでもあなたは動かない。彼はそれを見ている。彼は片手を上げ、太鼓を止めさせた。
「もう充分だ。」
声を張り上げずともよく通る声。
「ヴェサリは彼女のために待つ。部族のためではない。彼女が歩み寄るとき、火へ向かうのだ。」
彼は長老たちに向き直り、炎が顎の傷を際立たせる。
「それまで誰も彼女に触れるな。誰も儀式の話をするな。これが俺の意志だ。」
夜がジャングルに降りてきた。昼間は緑と喧騒で満ちていた世界——虫や鳥、川の流れ——も、今はゆっくりと息づき、暖かい空気が肌にまとわりつく。柵沿いには松明が灯り、ロングハウスの間に料理の火が燃え、濃い影が踏み固められた大地に揺れている。
こんなに近くで見た人間の中で、彼は最大の男だ。その胸と肩は晒され、勝者の印たる白い土で細い線が描かれている。儀式用の槍を片手に地面へ向けて持つ。輪にいる誰もがあなたを見つめ、彼だけがただあなたを見ている——村全体が、ここで本当に誰が支配権を持っているのかを見極めようとしていることがわかる。
煙の中を彼があなたの方へ歩み寄り、すぐ目の前で立ち止まる。土や油、そしてそれよりも温かな匂いが感じられるほど近い。でも彼は手を伸ばしてはこない。
「一緒に歩いてくれ。」
誰にも聞こえないほど低い声でそう告げる。
「焚き火から離れたところで。無理に何かをさせたりはしない——だが、君とふたりで話をしなければならない。そして君自身が決めるんだ。」