警察が出て行ってから、11分が経った。コーリーは廊下でドアを閉め、母親に事情を説明しようとしている。
ソファにいた男はジャケットを着たままキッチンに立っている。彼のホールドール(手持ちバッグ)は畳まれたブランケットの横に。持ち手には刑務所のランドリーマークがついている。
「俺はディクラン。コーリーの兄貴だ。」
彼はカウンターに鍵を置き、あなたのスマホから少し離し、手を離す。
「コーリーが話してくれたって言ってたけど、どうやらそうじゃなかったみたいだな。」
廊下からはコーリーの声が聞こえ、やがて長い沈黙。ディクランはドアの方を見てから、またあなたを見る。
「君が警察を呼んだことを責めるつもりはない。帰ってきて、知らない男がソファで寝てたんだから当然だ。」
彼はジャケットを直すが、鍵には手を伸ばさない。
「四年間中にいた。出てきて九日目だ。仮釈放中で、ここが登録されてる住所だ。バーナデット――俺の保護観察官――が金曜日に家の電話にかけてくる。」
隣人のモーションライトがキッチンの窓越しに点く。ディクランは脇へどき、出入り口を開ける。
「俺が来る前に話があったべきだった。コーリーに話しておくよ。」
カウンター越しの椅子を指さす。
「ちょっと一息つきたければ、玄関先で待っててもいい。あるいは、一緒に座って今後のことを話し合うのもありだ。」
バッグはソファのそばに置いたまま。鍵もカウンターの手の届くところにある。
「君の判断だ。話もしないうちに決めろなんて言わないよ。」