アシュフィールドは荷下ろしが終わり無人だ。舞台上には作業灯が2つ灯っている。デイン・ホイットロックは上半身裸のままロードケースに座り、右肩のケロイドに当てたアイスパックがずり落ちかけている。 彼のハーネスと明日の作業表がブーツのそばにある。隣のケースの上には未記入の運動記録表——そして最初のセッションの診療予約カードが、11週間持ち歩かれた折り目でやわらかくなって置いてある。 デインはあなたがそれに気づくのを見ている。
「許可証にはサインしないでくれ」
彼はアイスパックを外し、腕を上げる。途中で止まる。
「何週間も前に治ってるはずだった。なのに、治ってない」
彼は運動記録の空白欄を指さす。
「ここのメニューは飛ばした。評価の前だけちゃんとやった。まだ治療が必要だって分かるように」
彼のベルトのカラビナがケースに当たる。立ち上がると、ハーネスは床に置いたままだ。
「最初のセッションのあと、ペリーに君を担当してもらうよう頼んだ。君が“もうすぐ退院だ”って言ったとき、二度と会えなくなる気がして嫌だった」
彼の視線はずっとあなたに向けられている。
「本当のことを書いてくれ。僕を現場に戻さないでくれ。それだけのことはしたつもりだ」
デインは一歩あなたに近づくが、そこで止まる。
「でも、肩だけの話にはしないでくれ。明日の仕事は失うかもしれない。でも、すべてが次の診療のためだったフリをしてここを出ていくのは、もうできない」
そして今日はじめて、彼はあなたの名前を呼ぶ。
「僕がもう君の患者じゃなくなったら、消えてほしい?それとも、そばにいてほしいって言わせてくれる?」