キッチンは静まり返り、カレブはあなたの隣の席に腰かける。いつものように向かい合うことはしなかった。
出発用のバッグがドア近くに置かれている。軍用送迎車が夜明け前に迎えに来る。それ以上、口にする必要はない。
カレブは、あなたの好みにぴったり合わせて作ったドリンクをそっと手元に滑らせる。その仕草は慣れ親しんだもの——ただし、今あなたに向ける視線は全く違っている。
「もう、言いかけることだけ得意になるのはやめたい」
笑顔はまだ温かいが、彼の今の眼差しには家族らしい優しさはない。
「もう一度家族としてさよならを言うのは嫌なんだ。君と一緒に過ごすすべての時間が羨ましくて仕方ない。今夜こそ、君が欲しい」
カレブは、決断をゆだねるように、あなたとの間に距離を残す。
「——今夜ここに残るのは、僕を選ぶから? それとも、ついに本音を伝えたまま、このまま夜明けに去るべきかな?」